| 一人親方豆知識 |

建設業界で活躍する一人親方の実態について、皆さんはどれだけご存知でしょうか?「月収50万円以上稼げる」という噂や「休日がない」といった厳しいイメージがある一方で、その実情はあまり知られていません。特に地方での一人親方の働き方や収入事情については、情報が限られているのが現状です。
福島県で20年以上建設業界に身を置き、一人親方として確固たる地位を築いてきた経験から、リアルな収入事情や日々の生活バランス、そして安定して仕事を得るためのノウハウまで、包み隠さずお伝えします。
建設業界への就職を検討している方、独立を考えている職人さん、そして地方での働き方に興味がある方にとって、本記事は貴重な情報源となるでしょう。福島という地方都市ならではの建設業の実態と、一人親方として成功するための具体的な戦略をこれからご紹介していきます。
「一人親方は月収50万円以上稼げる」というネット上の情報。これは本当なのでしょうか?福島県で建設業界に20年以上携わる私が、リアルな収入事情をお伝えします。結論から言うと、月収50万円は「可能だが常に安定しているわけではない」というのが現実です。
福島県内の建設現場では、一人親方の日当は職種によって1万2千円~2万円程度。月に22日働いたとして単純計算すると26万4千円~44万円になります。さらに大型工事や技術が必要な案件では日当2万5千円以上になることもあり、その場合は月収55万円を超えることも。ただし、天候不良や工事の切れ目期間があるため、年間を通じた平均では30万円~40万円というのが多くの一人親方の実態です。
特に福島県では震災復興関連の工事が一段落し、以前ほどの高単価案件は減少傾向にあります。一方で、原発関連や再生可能エネルギー施設の建設など、専門技術を持つ一人親方には高収入の機会も存在します。東北電力や大手ゼネコンの下請け工事に携われば、安定した収入を得られるケースも少なくありません。
収入を左右する最大の要因は「人脈」と「技術力」です。良質な元請けとのコネクションがあり、専門性の高い技術を持っている一人親方は、月に60万円以上稼ぐこともあります。反対に、人脈が少なく汎用的な技術しか持たない場合は、月収20万円台に留まることも珍しくありません。
また見落としがちなのが「経費」の存在です。工具代、車両維持費、保険料、確定申告の際の経費など、サラリーマンにはない出費が多数あります。これらを差し引くと手取りは表面上の収入よりも1~2割程度少なくなるのが一般的です。
福島の一人親方として安定して稼ぐためには、特定の元請けに依存せず複数のルートを確保すること、そして常に技術向上に努めることが重要です。高度な技術を持ち、信頼関係を築ける一人親方は、確かに月収50万円以上も十分可能な世界なのです。
一人親方として働く魅力の一つは、時間の融通が利くこと。しかし、実際のところ福島で活躍する一人親方たちはどのように休日を過ごし、仕事とプライベートのバランスを取っているのでしょうか?
「休みは自分で決められるけど、決められないのも一人親方の現実」と語るのは、福島市で大工として10年以上活動している佐藤さん(仮名)。彼によれば、繁忙期には月に1〜2日しか休めないこともあるそうです。一方、冬場の閑散期には週に2〜3日の休みを確保することもあるとか。
季節や仕事量によって大きく変動する休日。計画的に休みを取るコツとして、福島県いわき市で活躍する塗装職人の高橋さん(仮名)は「来月の予定を先に決めて、顧客にも前もって伝えておく」という方法を実践しています。これにより、家族との時間や趣味の時間を確保しているそうです。
福島県内の一人親方たちの間では、平日に休みを取る「ずらし休日」も人気です。混雑を避けて温泉巡りができる、役所や銀行での手続きがスムーズにできるなど、平日休みならではのメリットを生かしています。会津若松市の左官職人は「土日より平日の方が効率的に過ごせる」と太鼓判を押します。
また、仕事とプライベートの切り替えが難しいという声も。「自宅が事務所を兼ねていると、休日でも仕事モードから抜け出せない」と郡山市の電気工事士。解決策として、仕事用と私用の電話を分ける、作業着を着替えるタイミングで気持ちを切り替えるなど、ちょっとした工夫が効果的だと言います。
健康管理も重要なポイント。体調を崩せば収入に直結するため、定期的な運動や健康診断を欠かさない一人親方が多いようです。福島県南相馬市の配管工は「毎朝のストレッチと週2回のジョギングが私の健康保険」と笑います。
福島の四季を楽しむ余裕も大切にしています。春は花見、夏は海水浴、秋は紅葉狩り、冬はスキーと、季節ごとの楽しみを家族と共有する時間を意識的に作っている方々が多いのが印象的でした。
一人親方としての自由と責任のバランスを取りながら、福島の地で充実した日々を送る職人たち。彼らの「仕事も生活も充実させる」知恵は、働き方を見直したい全ての人にとって参考になるのではないでしょうか。
建設業界で一人親方として生き残るには、安定した収入源の確保が最大の課題です。特に福島県のような地方では、大都市と比べて仕事量に波があるため、収入の安定化はより重要になります。
私が福島で10年以上一人親方として活動してきた経験から、安定収入を得るための「3つの鉄則」をご紹介します。
【鉄則1】複数の元請けと取引関係を構築する
一社依存は最大のリスクです。福島県内の建設会社だけでなく、郡山市や会津若松市など近隣エリアの企業とも関係を築くことで、ある元請けからの仕事が減っても他でカバーできる体制を整えましょう。理想的には最低でも3社以上の元請けと定期的に取引することをお勧めします。
県内では福島建設や会津建設工業などの中堅企業と取引することで、大手よりも融通が利き、一人親方への理解も深い場合が多いです。
【鉄則2】専門技術を磨き「呼ばれる職人」になる
単なる「人手」ではなく、特定分野のスペシャリストになることが重要です。私の場合、左官工事の中でも特に「漆喰塗り」を得意分野として磨いたことで、伝統的な建物の修復工事などで重宝されるようになりました。
県内の歴史的建造物や伝統家屋が多い会津地方では、こうした専門技術が評価され、口コミで仕事が回ってくるようになります。技術を磨くために県内で開催される技能講習会や研修に積極的に参加することも大切です。
【鉄則3】繁忙期と閑散期を見越した資金計画を立てる
建設業界には季節変動があります。福島県では特に冬場は雪の影響で外装工事が減少するため、この時期を見越した資金計画が欠かせません。夏から秋にかけての繁忙期には収入の30%程度を貯蓄に回し、冬場の仕事減少期に備えることをルール化しています。
また、確定申告時の税金支払いも考慮して、収入の15~20%は常に手元に残しておくことが安心につながります。
【取引先の選び方】
良い取引先を見極めるポイントとして、以下の3点に注目しています:
1. 支払いの正確さと速さ
福島県内でも支払いサイトが90日を超える企業は避けるべきです。理想的には45日以内の支払いサイクルの企業を選びましょう。県内の優良企業では、工事完了から30日以内の支払いを徹底しているところもあります。
2. 仕事の継続性
「単発の高額案件」より「継続的な中規模案件」を提供してくれる企業の方が長期的には安定します。私の経験では、いわき市の某建設会社とは7年間継続して取引していますが、月に2~3件の小規模工事を安定して依頼してもらえることで、収入の基盤を築けています。
3. 現場の安全管理と作業環境
安全対策がしっかりしている現場は、元請けの経営姿勢の表れです。福島県内では東邦建設や佐藤工業などの企業は安全管理が徹底しており、作業環境も整っています。こうした企業との取引は、事故リスクの低減にもつながります。
一人親方として福島で生き抜くには、技術力の向上と賢い取引先選びが不可欠です。地域特性を理解し、信頼関係を築くことで、建設業界でも安定したキャリアを築くことができるのです。

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名称
北日本労災一人親方部会
理事長
中村 翔
認可
厚生労働大臣青森労働局承認
厚生労働大臣福島労働局承認
加入員資格
北海道・青森県・岩手県・秋田県・福島県・山形県・新潟県・宮城県にお住まいの建設工事に従事する一人親方とその家族従事者
所在地
〒038-3163 青森県つがる市木造字中館湯浅44
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