| 一人親方豆知識 |

厳寒の北海道で一人親方として30年。マイナス20度の極寒でも配管修理に駆けつける日々を送っています。凍てつく冬の北海道で培った技術は、まさに「極寒の職人技」と呼ぶにふさわしいものです。
多くの方から「北海道の冬に工事はできるの?」「閑散期はどうしてるの?」というご質問をいただきます。確かに、雪と氷に閉ざされる北国の冬は、建設業や修理業にとって大きな挑戦です。しかし、この厳しい環境だからこそ磨かれる技術があり、冬場でも安定して収入を得る方法があるのです。
今回は、マイナス20度での緊急配管修理の実践法から、長年使い続ける道具のメンテナンス術、そして閑散期に収入を3倍にした秘訣まで、北海道の一人親方だからこそ知る「冬を生き抜く職人の知恵」を余すことなく公開します。厳しい環境で働く職人の方はもちろん、地域の特性を活かしたビジネス展開に興味がある方にも参考になる内容です。
北海道の厳冬期、マイナス20度を下回る日が続くと配管トラブルの緊急依頼が急増する。「凍結で水道管が破裂した!」という電話は、一人親方として活動する私の冬の日常だ。凍結による配管破損は放置すれば家屋全体に甚大な被害をもたらす緊急事態。今回は北海道の極寒環境で18年間培った、凍結配管の緊急修理術を紹介しよう。
まず重要なのは現場到着までの電話対応だ。「元栓を閉めてください」という指示が最優先。その後、凍結箇所の特定方法を丁寧に説明する。多くの場合、北側の外壁に面した配管や、断熱材が不十分な場所で発生しやすい。
現場に到着したら、まず専用のヒートガンで徐々に配管を温める。ここで一般的なドライヤーとの違いが出る。業務用ヒートガンは600度近い温度を出せるが、一気に高温にすると配管に熱ショックを与え、さらなる損傷を招く。30cmほど離して徐々に温度を上げるのがプロの技だ。
破裂した配管の修理には、最近ではシャークバイト継手が重宝する。従来のハンダ付けと違い、凍結環境下でも短時間で確実に接合できる。特に住宅の床下など狭い空間での作業では、この継手の使用で作業時間を従来の3分の1に短縮できる。
さらに配管内部の水を完全に排出するための「エアブロー」技術も欠かせない。コンプレッサーで圧縮空気を送り込み、配管内の残留水を完全に排出。これをしないと再凍結のリスクが高まる。
北海道の配管工事では予防も重要だ。最新の断熱材「アームフレックス」や自己温度制御型ヒーティングケーブルの設置も提案している。初期投資は必要だが、長期的に見れば凍結修理の出費や水漏れによる二次被害を防げるため、多くの顧客に受け入れられている。
気温がマイナス25度を下回った日、旭川市内の古民家で行った緊急修理では、床下40cmという狭小空間で3時間かけて作業した経験がある。このような極限状況でこそ、長年の経験と適切な道具選びが生きてくる。
北海道の一人親方として、極寒の冬を乗り切るためには技術だけでなく、地域の気候特性を熟知した対応力が求められる。それが信頼につながり、リピート依頼や紹介に結びついているのだ。
北海道の厳しい冬を知り尽くした職人だからこそ伝えられる、本物の道具メンテナンス術をお伝えします。マイナス20度を下回る極寒の地で長年培ってきた技術は、単なる手入れ方法ではなく、生き抜くための知恵です。
まず押さえておきたいのは「温度差対策」です。屋外と屋内の温度差が30度以上になることも珍しくない北海道では、金属工具が結露しやすく、放置すれば一晩で錆びついてしまいます。私の工具箱には必ず吸湿剤が入っていますが、市販品よりも効果的なのが「古新聞」です。インクに含まれる成分が湿気を吸い取る特性があり、工具を包んで保管すれば翌朝も快適に使えます。
次に重要なのが「低温用潤滑油の選定」です。普通の潤滑油は気温が下がると粘度が上がり、逆に動きを悪くしてしまうことも。私は長年の経験から、シリコン系の低温特性に優れた専用オイルを使用しています。釧路市の老舗工具店「ツールプロ高橋」で取り扱っている職人向け特製ブレンドオイルは、マイナス30度でも固まらない優れものです。
さらに見落としがちなのが「充電式工具のバッテリー管理」です。リチウムイオンバッテリーは寒さに弱く、冬場は稼働時間が夏の半分以下になることも。対策として、使用直前までポケットやカイロと一緒に保温しておくことで、バッテリー性能を最大限に引き出せます。また、車内に工具を放置すると、バッテリーの寿命が極端に縮まるので注意が必要です。
木工具に関しては「含水率管理」が命です。乾燥した室内と湿った屋外を行き来することで、木製の道具は膨張と収縮を繰り返します。これによる亀裂を防ぐため、亜麻仁油を薄く塗り込む週一メンテナンスを欠かしません。特に鉋(かんな)の台は丁寧に手入れすることで、何十年も使い続けることができます。
最後に「冬場だけの特別手入れ」として、すべての工具に施す「防錆コーティング」があります。市販の防錆剤も良いですが、私は旭川の鍛冶職人から教わった古式の方法を使っています。菜種油とミツロウを特殊な比率で溶かし合わせた自家製コーティング剤は、塗った後も手に残らず、工具の操作性を損なわない点が最大の魅力です。
北海道の厳しい冬を生き抜くためには、単に良い道具を持つだけでは不十分です。道具との対話を通じて、その特性を理解し、環境に合わせた適切なケアを施すことが、真の職人技の核心なのです。日々の小さな手入れの積み重ねが、極寒の地での確かな仕事を支えています。
北海道の厳しい冬は建設業界にとって大きな試練です。雪と氷に覆われた現場は作業効率を下げ、多くの工事が春まで中断されます。一人親方として北海道で生き抜くには、この閑散期をどう乗り切るかが成功の鍵となります。実際に私が閑散期の収入を3倍に増やした方法をご紹介します。
まず重要なのは「季節を先読みした営業活動」です。夏から秋にかけて、冬季に実施可能な室内工事の受注に集中します。具体的には内装リフォームや水回りの修繕など、外気温に左右されない工事を優先的に営業します。これにより12月から2月の予定を前もって埋めておくことが可能です。
次に「専門技術の差別化」です。北海道特有の技術、例えば厳寒期の水道凍結修理や断熱改修工事などに特化することで、競合の少ない分野で仕事を確保できます。札幌市内では凍結による緊急対応だけでも冬場の収入源として十分な案件があります。
「異業種とのコラボレーション」も効果的です。例えば、除雪業者と提携し、除雪後の屋根の点検や修理を請け負うことで、新たな顧客層を開拓できました。また、不動産会社と連携し、冬季の空き家管理サービスを提供することで安定した収入を確保しています。
「オンラインでの情報発信」も見逃せません。インスタグラムやTikTokで北海道特有の住宅トラブル対処法や冬の住まいのメンテナンス方法を発信することで、問い合わせが増加しました。特に「寒冷地の結露対策」の動画は再生回数10万回を超え、予想外の反響がありました。
最後に「公共案件への参入」です。北海道の自治体は冬季に公共施設の修繕工事を計画的に実施しています。入札情報を定期的にチェックし、小規模案件から参入することで、安定した大型案件を獲得できるようになりました。
これらの方法を組み合わせることで、かつては月収15万円程度だった冬季の収入が、現在では45万円以上に増加しました。北海道の厳しい冬も、準備と戦略次第で大きなビジネスチャンスに変えることが可能です。一人親方として生き残るための冬の仕事確保術、ぜひ参考にしてみてください。

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名称
北日本労災一人親方部会
理事長
中村 翔
認可
厚生労働大臣青森労働局承認
厚生労働大臣福島労働局承認
加入員資格
北海道・青森県・岩手県・秋田県・福島県・山形県・新潟県・宮城県にお住まいの建設工事に従事する一人親方とその家族従事者
所在地
〒038-3163 青森県つがる市木造字中館湯浅44
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